目的別4つのキャリアアップ方法

介護の業界で働きながらキャリアアップを目指すにはどのようにすればよいのか、目的別に4つ紹介する。

まずは、上位の資格を取得する方法についてだ。介護業界では、「介護職員初任者研修」「実務者研修」「介護福祉士」の資格を取るという流れが基本となっている。その後に、介護職員のマネージメントを行う「認定介護福祉士」、医療に関する知識を身につけて医療スタッフとスムーズに連携を行うための「医療介護福祉士」、利用者の相談援助を行う「社会福祉士」などの資格を取ることによって、年収アップも見込めるだろう。

次にご説明するのは、相談援助を行うための資格を取得する方法だ。最適なケアプランを作成するケアマネージャーになるための「介護支援専門員実務研修受講試験」、利用者やご家族と介護スタッフとの仲介を行う生活相談員になるための「社会福祉士」、ホームヘルパーのスケジュール調整や手配を行うサービス提供責任者になるための「実務者研修」などの資格を取ることが必要である。

3つめは、介護施設や事業所の運営を行う施設長や管理者になる方法だ。特別養護老人ホーム・介護老人保健施設と言った施設形態によって、実務経験や必要な研修などの資格要件が異なるので注意しよう。また、独立して自分で施設や事業所を開業する、という方法もある。

4つめは、介護福祉士としての経験を別の分野で活かす方法だ。例えば、看護師国家試験に合格して看護師へ転職をすることで、今までは携われなかった医療の分野からも利用者をケアすることができる。他には、理学療法士や作業療法士になって、リハビリテーションを行うという方法もある。

介護の分野でスキルを高める方法

5年後や10年後を考えながら、目的意識を持って介護関連の求人を探すことが、早期にキャリアアップを実現するための基本である。特に個別の事業所の教育支援制度を積極的に利用して、新しい知識を吸収することが、職場での仕事を円滑に進めることにもつながるのだ。その中には資格取得に関連するプログラムも含まれているので、積極的に受講すると、マネージャーや主任への昇進もスムーズに実現できる。

しかし介護の分野で働く人の職種は異なるので、一人一人に合ったプログラムを選ぶことも大切だ。とりわけ老人ホームでは夜勤などのシフトもあるために、緊急時の対応について深く学ぶのが理想的である。入居者が身体の不調を訴えた場合の対処方法を学ぶことで、スタッフが少ない真夜中の業務も効率的に行えるようになる。

一方で介護施設ではスタッフ間のチームワークも求められるので、事業所内で開催される勉強会にも積極的に参加するべきだ。勉強会を通じて、他のスタッフとのコミュニケーションを深めることが、業務上の問題点を解決することにも直結する。更に、自身の目標にあった研修プログラムに参加するのが、キャリアアップを達成するための近道だ。昇進によって収入を増やすためには、施設の運営について学ぶことも大切であり、外部研修にも参加する取り組みが必要である。外部研修では経験豊富な講師から指導を受けられるので、学んだ内容をすぐに現場で最大限に活かせるのだ。